首都圏の中古マンション市場、いよいよ潮目が変わったの? レインズデータから読む

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東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が10月13日、2026年9月の首都圏不動産流通市場動向を公表しました。

中古マンションの数字が、かなりはっきりと動いています。

中古マンション:成約は6ヵ月連続の減少、しかも減少幅は拡大

9月の首都圏の中古マンション成約件数は3,457件で、前年同月比22.7%減でした。前年を下回るのはこれで6ヵ月連続です。しかも、ここ6ヵ月で最も大きい減少幅です。

都県別に見ると、全エリアでマイナスでした。

  • 東京都:1,699件(30.1%減)
  • 神奈川県:913件(15.1%減)
  • 埼玉県:398件(18.6%減)
  • 千葉県:447件(6.7%減)

目立つのは東京都です。

区部が1,385件(30.6%減)、多摩が314件(28.0%減)と、どちらも3割前後落ち込みました。

価格は5ヵ月連続で下落

価格にも変化が出ています。

  • 平均成約単価:81万700円/㎡(4.8%下落)
  • 平均成約価格:5,111万円(4.5%下落)

どちらも5ヵ月連続の下落です。

専有面積は63.04㎡(0.3%増)とほぼ横ばいで、平均築年数は28.53年と前年より2.27年進みました。平均価格には築年数の構成も影響するため、下落分のすべてが「同じ物件が値下がりした」わけではない点には注意が必要です。それでも、単価で約5%下がっている事実は軽くありません。

売り物は増えているのに、買い手が動かない

需給のバランスも崩れつつあります。

  • 新規登録件数:1万7,721件(15.4%増)、4ヵ月連続の増加
  • 在庫件数:5万450件(15.1%増)、7ヵ月連続の増加

売りに出る物件は増え、在庫も積み上がる一方で、成約は減っています。

買い手が価格水準に慎重になり、じっくり選べる状況になっていると考えられます。

既存戸建ては「成約減・価格上昇」と、マンションとは違う動き

既存戸建住宅の成約件数は1,658件(16.5%減)で、2ヵ月ぶりの減少でした。

  • 東京都:494件(17.1%減)
  • 埼玉県:403件(11.2%減)
  • 千葉県:316件(17.1%減)
  • 神奈川県:445件(19.8%減)

一方、平均成約価格は4,116万円(5.4%上昇)で、9ヵ月連続の上昇です。

新規登録は6,647件(2.3%増)、在庫は2万3,587件(0.2%増)とほぼ横ばいで、マンションほど在庫が膨らんでいません。

成約件数は減りましたが、価格を支える需給は維持されているように見えます。

今後の市場はどうなる?(筆者の見立て)

ここからは今回のデータをもとにした私見です。将来を断定できるものではありません。

1. マンションは当面、調整局面が続く可能性が高い

成約の減少、在庫の増加、価格の下落という3つが同時に進んでいます。

在庫は7ヵ月連続で増えており、売り手の数が買い手を上回る状態がすぐに解消するとは考えにくいです。少なくとも数ヵ月は、成約価格が弱含みで推移する可能性があります。

2. 値下がりが成約を呼び戻す「価格調整」が進むかが焦点

成約が減った一因は、売り手の希望価格と買い手が納得する価格のズレだと考えられます。

売り手が値下げに応じて価格が折り合えば、成約件数は下げ止まる可能性があります。逆に、売り手が強気を維持すると、在庫の滞留期間が長引き、市場が冷える期間も長くなります。

3. 東京都の動きが全体の方向を左右する

今回の下落は東京都、特に区部で大きく出ました。価格が高い水準にあるエリアほど、買い手の資金面や心理面の影響を受けやすいためです。

東京の成約が戻るのか、埼玉・千葉・神奈川が下支えになるのかが、今後の分かれ目になりそうです。

4. 戸建ては底堅いが、マンションの弱さが波及する可能性も

戸建ては価格の上昇が続き、在庫も落ち着いています。ただ、成約件数が減少に転じており、マンション市場の冷え込みや買い手の慎重姿勢が広がれば、いずれ影響が及ぶ可能性もあります。

今後チェックしたい指標

  • 在庫件数の推移:増加が止まるかどうか
  • 新規登録件数と成約件数の差:売り手と買い手の綱引きの目安
  • 成約単価の下落幅:縮小に向かうか、拡大するか
  • 住宅ローン金利の動向:買い手の購入意欲に直結する要素
  • 新築マンションの価格動向:中古の割安感に影響する要素

まとめ:買い手は「選べる時期」売り手は「価格設定」が鍵

買い手にとっては、物件を比較しやすく、価格交渉の余地も広がりやすい局面です。

ただし、今後の価格動向は不確実なので、「もっと下がるはず」と待ち続けるよりも、自分の資金計画と生活設計を軸に判断するのが安全です。

売り手にとっては、周辺の成約事例を踏まえた現実的な価格設定が、これまで以上に重要になります。

なお、本記事は公表データに基づく一般的な情報であり、個別の売買や投資の判断についてはご相談ください。

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